かき小屋へ出稼ぎに行った

おはにゃあございます。
我々は12月から3月末までかき小屋で働いたにゃあ。
吾輩はお店には出ていないが、キャサリンを癒やす係をやっていたのにゃ。
今回はその様子をお伝えするにゃ。

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12月1日の早朝、三重県鳥羽市浦村町のかき小屋の駐車場で朝を迎えた。
先シーズンに一ヶ月ほどの経験があるので特に緊張はしていなかった。
”仕事は最高の暇つぶし”と心得る二人は楽しい日々の始まりと感じていた。
なにせ一日が早くすぎるし、お金は減らないし、かえって増えるのだ。
八ヶ月の間、収入がなく、旅行やアルコバレーノ号のリフォームにお金が出ていく一方だった二人にとっては恵みの雨が毎日降ってくるようなものなのだ。
そして鳥羽は暖かい。本拠地の長野と違って雪はおろか霜もおりない。
まかないの牡蠣を食べられるのも楽しみの一つだ。

かき小屋ってどんなところ?
牡蠣の産地にあって新鮮な牡蠣がたらふく食べられるところ。
牡蠣の養殖をしているところが経営していて、自家生産の牡蠣を使っている。
焼き牡蠣、生牡蠣などの牡蠣料理がメインの料理。
小屋のような建屋は透明な樹脂パネルで風を防ぐようになっている。
中にテーブルを並べて客室にしてある。
客席の真ん中に焼き台があったりする。

牡蠣の養殖が盛んな浦村町には20軒ほどのかき小屋があり、いろいろな形態で営業している。
食べ放題のお店、一品ごと注文するお店、コースのお店もある。
お客さんが客席で焼くところもあるし、スタッフが焼くところもある。
それぞれ工夫をして営業している。

バーベキュー台が数十台ズラッと並び、BBQを楽しめるお店もある。
メニューは、バケツに入れた殻付き牡蠣だけ。
それをお客さんが自分たちで焼くスタイル。
肉や野菜なども持ち込んで焼いてもよく、しかも時間無制限。
通りかかるといつも煙がモウモウと上がっている。
薪の煙があまりにもすごいので屋根はあるが壁はなく吹きさらしだ。
浦村で最もワイルドなお店である。

我々が出稼ぎに来た「かき太郎」はすべての料理をスタッフが料理し客席まで運ぶ。
料理は一品ごとに値段があり、お客さんは好きなだけ注文する。

さて、かき太郎のメニューを紹介していくね。
まず、牡蠣料理の王様 焼き牡蠣。
大粒の牡蠣を選んで熟練のスタッフが焼く。
一つ前の写真ね。
一個130円。

続いて女王の生牡蠣。
注文を受けてから殻を開けて提供する。
新鮮だからうまいのだ。
前の日に海から上げたのを一晩かけて滅菌しているから生でも食べられる。
一個130円。

酢牡蠣。
牡蠣界の王女様。
もう無理やり名前つけるのやめようか。
新鮮なむき身に甘酢をかけて。
日本酒にとても合う一品。
一鉢650円

カキフライ!
牡蠣界のプリンス!まだやってるし。
揚げたてのカキフライ、何度も注文する人が続出!
しかもタルタル大好きなケビンに頼めばこっそりタルタルを追加してくれる。(笑)
一皿760円(五個)

牡蠣のグラタン
牡蠣界の燃える闘魂、なにしろアチアチなのだ。
ホワイトソースも自家製。
一皿380円

ネギみそチーズホイル焼き
牡蠣料理の恥ずかしがり屋。
ちょいと甘めの味噌ダレとチーズの相性が抜群。
一皿380円

牡蠣ご飯とお味噌汁
牡蠣界のとうちゃんかあちゃん。
最も多い日では八升を用意する人気メニュー。
牡蠣ご飯の具は前の日に仕込む。
干ししいたけ、ひじき、牡蠣の茹で汁が良い仕事をしている。
お味噌汁も出汁からちゃんととってあるのだ。
どちらも一人前330円

これを書いている現在は、今シーズンの営業が終わっているのでもう食べられない。
もっとお客さんとして食べとけばよかったと後悔するキャサリン。
一回しかお客さんとして食べていないのだ。
ケビンは三回も食べて呑んだからそうでもない。(笑)
コロナ感染の心配がなければゴールデンウイークまでの営業だった。
4月はかなり暇になるので食べるチャンスがたくさんあったはずなのに。
11月に始まる来シーズンまでに収束するのを祈るばかりだ。

二人はお店で何をしていたの?
キャサリンは、調理とレジの担当。
ケビンはフロアと駐車場の担当だ。

朝9時からお店に出て開店準備をする。
通勤時間は15秒ほど。(笑)
キャサリンは、料理の下準備を始める。
まずはフライヤーに揚げ油を満たし電源を入れる。
炊飯器にお米と出汁を入れ、点火する。
牡蠣の茹で身とホワイトソースを器に盛り付ける。
牡蠣の茹で身を合わせ味噌とあえてアルミホイルに包む。
その日の客の入りを予想して数を用意しておく。
炊きあがったご飯に具を混ぜ合わせる。
ケビンがすかさず駆け寄り、味見と称してつまみ食いをする。
なれた頃には茶碗にしっかり盛り付けて平らげていた。(笑)

ケビンはフロア清掃とテーブルの拭き上げから始める。
テーブル調味料を配置して、焼き台の準備。
工場から上がってくる牡蠣の搬入。
同じく9時に来る店長と三人で手分けして慌ただしく動き回る。

息つく暇もなく10時の開店。
1月と2月は平日でも15時までほぼ満席が続き、ずっと忙しい。
15時に閉店し、片付けをして一旦休憩する。

サンドイッチやおにぎりなどを食べながら30分ほどの休憩。
今度は翌日の仕込みが始まる。
土日祝日の前はたくさん仕込むので3時間ほどかかる。
カキフライの衣付け
牡蠣ご飯の具の調理
お米洗い
ホワイトソース作り
合わせ味噌作り
大量のネギ刻み
ビールの補充などなど

還暦を超えたケビンにとってかなりの重労働。
ずっと立ちっぱなしなのでシーズン中は背中がこわばったままだった。
椅子から立ち上がると曲がった腰がなかなか伸びずにまるで爺さんのよう。
還暦過ぎてるから爺さんで当たり前か(笑)。

1月と2月の日曜祝日はものすごく混み合う。
開店前の9時ころから続々と車が入ってくる。
開店と同時に満席で席待ちが発生する。
まもなく写真のように駐車場もいっぱいになる。
客席を待つ人の列も店の待合いから店外へ伸びていく。
こうなるとケビンは駐車場を整理するために外へ出る。

駐車場の入口に立って、満車なのでもう入れないことを大声で知らせる。
どんどん車が入ってきて帰りの車が出られなくなりにっちもさっちもいかなくなるからだ。
諦めきれないお客さんに頭を下げて通り過ぎていただく。
一台が停車すると上下車線とも入場希望の車が連なって停車してしまう。
あっという間に上下線ともふさがり道路が渋滞してしまう。
かき小屋に用のないほかの車はセンターラインをはみ出て通過していく。
上下線の通過車両が鉢合わせになり非常に危険な状態になってしまう。

牡蠣が食べたくて遠路はるばる来ていただいた方にはほんとうに申し訳ない。
しかし停車しないで通り過ぎていただくよう声を掛けることしかできないのだ。
交通の安全のために仕方がない。

どうしても諦めきれない方には、
安全なところで引き返して来てください。
その時運良く入り口が空いていたら入れます。
と大声で伝える。
五回繰り返すと入れるかも!
と伝えたりする。
そして何度も挑戦してやっと入れたときの笑顔を見てホッとする。
引き返して一発で入れた人には運がいいね~と声をかけたり。
みんなお腹が空いて気が立っているから笑わせて気持ちを和らげるのに務める。
なにせ駐車場に入れても席に付くまで1時間ほどは待たないといけないのだ。
和やかに待っていただき、良い思い出を持って帰ってもらいたいのだ。

たくさんの友達も会いに来てくれた。
大阪からナカジョウさん夫婦がいの一番に駆けつけてくれた。
ケビンが若い頃に勤めていた会社の同僚。
ドイツ製の制御用電子部品を売り歩いた戦友だ。
ナカジョウさんが関西地区の営業、ケビンが本社の販促担当という立場だった。
大手家電メーカーが製造ラインに採用したくれたときは嬉しかったねえ。
でも特に売り込んでないのにいきなり注文が来たので二人で首をひねったんだった。

モスリンさんご一家
世界的なプロ鼻笛奏者
埼玉在住だけれど三重県をこよなく愛する食いしん坊。
鼻笛という鼻で吹く楽器の奏者なのだ。
たくさん演奏の動画がありますのでよかったら聞いてみてください。
https://www.youtube.com/results?search_query=%E3%83%A2%E3%82%B9%E3%83%AA%E3%83%B3+%E9%BC%BB%E7%AC%9B

モスリンさんのホームページ
http://mosurin.town-web.net/music/

ケビンの息子、娘、婿殿も会いに来てくれた。
住所不定の親でごめんなさい。
娘はキャサリンとの結婚を本当によろこんでくれた。
10歳若いからお父さんの面倒を最後まで見てくれるからって。
もうおとうさんの老後の心配がなくなってよかったぁと。
なにごとも正直に口に出してしまう性格と顔がケビンそっくりでごめんなさい。(笑)

おっちゃんとケビン
おっちゃんはケビンが三重に移住するきっかけとなった張本人。
キャサリンと結婚する前の四年間で様々なことをやらかした。
おっちゃんの家の前の空き地に小屋を作ってそこに住んでたケビン。
いろいろなことがたくさんあり過ぎてここには書ききれないのでまたの機会に。
今はチャンネル登録者数6万人を超える人気ユーチューバー。
今シーズンにかき小屋に来たときの爆笑動画もあります。
チャンネル登録をよろしくなのだ。
https://www.youtube.com/watch?v=5dz1e4uHm_8

みんな、遠くから来てくれてありがとう!
写真を取り忘れてしまったお友達、ごめんなさい。
来シーズンまた会えますように!

最後にかき太郎の情報を。
機会があればぜひ!
かき太郎
三重県鳥羽市浦村町大吉1569
090-7433-2219
定休日 火曜日
営業時間 10時からラストオーダー14時30分
1月と2月の土日祝日はたいへん混み合います。
お時間の余裕を持ってお越しください。
朝9時前から駐車場に入られます。
予約はできません。
冬シーズンは、11月からゴールデンウイークまで営業
夏シーズンは、 7月から10月まで営業
※夏シーズンのメニューは冬と異なり、岩牡蠣と海鮮の焼き物になります。
カーナビだと海辺にある工場の方に連れて行かれることがあるようです。
パールロード沿いにあります。
鳥羽市内からパールルードを直進し右側にあります。
グーグルマップ
↑口コミも見られますよ。

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二人の家来は四ヶ月よく働いて感心だったにゃあ。
吾輩は二人がいない間はベッドの布団にくるまって一日中寝てたにゃあ。
すっかり夜型になってしまったにゃあ。
沢山食べると戻してしまうので夜中二時間おきにキャサリンはご飯をくれたにゃあ。
朝の三時ころは遊んで欲しい時間なのでケビンに相手してもらったにゃあ。
ありがとにゃ。

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