中標津で「伝成館の怪人」と遊ぶ

おはにゃあございます。
中標津の面白いオジサンと遊んだにゃ。
今回はそれを中心にお伝えするにゃ。

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阿寒摩周国立公園を貫く道道(県道)1115号線。
林の中の道を南へ下ってくると視界が開けてくる。
中標津の丘陵地帯に入ったのだ。
真っ直ぐな道路の左右には草原が続く。

丘の斜面には「牛」の文字が見える。
6年前にも見た光景に笑う。
こういう茶目っ気がある人に会って握手してみたいものだ。

草原地帯を30分ほど走って中標津の町中にある伝成館に到着。
中心部の建物は92年前の1927年に建てられた当時としては珍しい鉄筋コンクリート製だ。
北海道農事試験場根室支場として建築された。
当時の中標津村には民家は5軒しかなかったという。
農業試験場の発足を契機に人口が増えていった。
中標津の歴史を語るにはなくてはならない建物である。
この建物は現在は伝成館と呼ばれ、NPO法人伝成館まちづくり協議会の本拠になっている。

この歴史的に大切な建物は一度は取り壊しが決まった。
しかし街の有志が立ち上がり保存されることとなった。
その中心人物の一人がイイジマさんなのだ。

中標津の地理、歴史を語りだすと止まらなくなる。
太い眉を上下に動かしながら東京弁で喋り続ける。
キラキラ光る目にときおり熱く見つめられるながらじっと話を聞く。
伝成館に来たものがくぐらなければいけない関門だ。(笑)

いくつもの横顔を持つ人である。
中標津の地理・歴史の研究者
元・飛行管制官
紙飛行機世界チャンピオン
フライトシュミレータ使い

ケビンは勝手に名前を考えた。
「伝成館の怪人」

ケビンは少年の頃、紙飛行機作りにはまっていた。
ケント紙を切り抜いて、接着剤で貼るという飛行機だ。
二宮康明というその分野では神的な存在の人がいた。
その本を買ってその本に収録された飛行機を組み立てては飛ばしていた。

ケビンが最初に買った本。中古本がアマゾンで販売されていますhttps://www.amazon.co.jp/%E3%82%88%E3%81%8F%E9%A3%9B%E3%81%B6%E7%B4%99%E9%A3%9B%E8%A1%8C%E6%A9%9F%E3%80%88Vol-1%E3%80%89%E2%80%95%E5%88%87%E3%82%8A%E3%81%AC%E3%81%8F%E6%9C%AC-%E4%BA%8C%E5%AE%AE-%E5%BA%B7%E6%98%8E/dp/4416395124

イイジマさんも紙飛行機少年だった。
そして紙飛行機の世界チャンピオンに二度なった。
イイジマさんは二宮康明師と親しくしていたと聞いた。
二宮康明師自身がが切って貼って作った紙飛行機を今も所有しているという。
今回は時間がなく見せてもらえなかったが次回は必ず見せてもらうつもりだ。

イイジマさんと知り合ったのはケビンとキャサリンが始めて出会ったイベントだ。
そのイベントでイイジマさんは紙飛行機を飛ばしていたのだ。
その時の様子は伝成館のブログにも綴られている。
https://denseikan.exblog.jp/17965505/

イイジマさんを語るとどれだけ時間があっても足りない。
彼のことを詳しく知りたい方は伝成館のサイトへどうぞ!
https://denseikan.exblog.jp/

到着したのは夕刻でもあり、イイジマさんに挨拶をして宿に向かう予定だった。
しかし伝成館のシキタリに従って一時間ほどお話を聞かせていただいた。(笑)

5月末に出発してずっと旅が続くマリオとはるちゃん。
中標津では公式なライブがないオフの三泊四日だ。
優しいイイジマさんは快適な別荘を用意してくれていた。

ひろーいキッチンもあるし

超開放的なお風呂もある。

さっそく夕食の準備をしてカンパーイ!

メインディッシュは、マリオの好物のイクラ丼!

食事のあとは、二人のギターにはさまれてリラックス。
前と後ろからギターが響く特等席。
いままで経験したことのない心地よさ。

ケビンとキャサリンは、マリオとはるちゃんの専属料理人
マリオとはるちゃんは、ケビンとキャサリンの専属音楽家
そう思うと楽しいよねって笑い合ったひととき。

宴のあとケビンとキャサリンはキャンピングカーへ戻り、
いつものようにハルさんと三人で眠った。

翌朝も伝成館に向かった。
今年最初の朝市が開かれていた。

マリオが用意したシャボン玉で遊ぶ。
朝市のお店の人たちも商売そっちのけで遊ぶ。
曇りの日はシャボン玉がよく飛ぶ。
湿度があるので、水分が蒸発しにくいのでシャボン玉が長く保つのだ。

シャボン玉でひとしきり遊んだら、今度は紙飛行機で遊ぶ。

写真はシャラという木の実だ。
シャラは平家物語の一節にある沙羅双樹である。
「祗園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり 沙羅双樹の花の色 盛者必滅の 理をあらはす」

シャラの実は木から落ちると、くるくる回りながら落ちる。
親木からちょっと離れたところまで飛び着地する。
イイジマ氏によれば、ちょっと離れたところが生存に適しているという。
親木がちゃんと育った環境で、親木の日影にならないところだからだ。

イイジマ氏はこのシャラの実に着想を得て、飛行機を開発した。
今回ほこの飛行機の作り方を教えてもらった。
作った飛行機をさっそく表で飛ばして遊んだ。

飯島さんの沙羅の飛行

輪ゴムを使って打ち上げるとくるくる回ってゆっくり降りてくる。
少年に戻ってみんなで飛ばして遊んだ。
あっという間に1時間は経っていた。

ひとしきり遊んだら、今度は子どもたちを遊ばせる時間だ。
子どもたちが集まる「ゆめの森公園」へ行って、紙飛行機ワークショップをやるのだ。

公園内にある天井が高いドーム型の室内遊園地。
小雨模様のこの日はたくさんの子供達が遊びに来ていた。
キャサリンとケビンは、さくら役。
面白そうに遊んでいるとイイジマさんのところにたくさん集まってきた。

材料は1セット100円だ。
そしてイイジマさんに作り方を教えてもらう。
マリオとはるちゃんはギターを弾き盛り上げた。

夕方に中標津市内のお菓子屋さんLAUKIKAに立ち寄る。
お店が繁盛し働きすぎのヒロシ君夫妻。
二人を元気づけるために歌を歌った。

よだれをこらえるはるちゃん。(笑)
ライブのあとは、抹茶のバタークリームケーキをごちそうになった。
こんなに美味しいならばお店が繁盛するはずだ。

ケビンは6年前の神の子池のイベントのときにヒロシくん夫妻と知り合っていた。
中標津へ来ることがあったら会いに来ることを約束していた。
6年立ってようやく来ることができた。
ケビンとキャサリンは美味しいお菓子やコーヒー豆をたくさん買い込んだ。

帰る前にお店の前でシャボン玉遊び。
心優しいマリオはシャボン玉の道具を準備していた。
こんなひとときが二人にとっては大切だと考えたのだ。

中標津三日目、最後の日。
開陽台という地球が丸く見えるという展望台に登った。
330度の範囲は地平線が見渡せる場所だ。
30度は丘があって地平線が見えない。

確かに丸く見えた。

ここでもマリオとはるちゃんは歌をウクレレを弾いた。
いつもでもどこでも平和を祈るために弾いて歌う。
この場所で星空を見ながらライブができたら最高だろう。
そうイメージしたマリオはさっそくイイジマさんに相談していた。
来年実現できたらいいな。

帰りに中標津にある「佐藤さんちのぎょうざ」で昼ごはん。
稚内を案内してくれたスミエさんのおすすめのお店だ。

餃子、あんかけ焼きそば、麻婆麺。
ケビンとキャサリンにとってはたまの外食。
悔いのないように食べたいものを全部注文してしまう。(笑)
美味しいから全部ぺろりとたいらげてしまえた。

スミエさんは、転勤で三年ごとに道内あちこちを転居しているという。
ケビンをキャサリンが食いしん坊だと見抜かれたようだ。
室蘭で投稿したら美味しいお店をすかさず教えてくれた。
スミエさんもかなりの食いしん坊のはずだ。
来週行く予定の余市、小樽の美味しいお店を教えてほしいな。

食事をしているとマリオとはるちゃんの友達のスズキさんが二人に会いに来た。
食事の後、スズキさんに一曲歌いたいと店の外の駐車場でギターを出し歌う用意をしていた。
お店の女将さんがどうぞ店の中で歌ってくださいとお客さんにも了解をとってくれた。
ギターと歌声にみんなが聞き入った。

終わったあとみなさんがCDを買ってくれた。
そして来年自分のお寺ででライブをしたいとの申し出も。
旅の音楽家を暖かく応援してくれる優しい人達だなあ。
これを書いているケビンは思わず涙腺崩壊。

「佐藤さんちのぎょうざ」の女将さん。
ほんとうにありがとう!
中標津に来たら必ず寄ります!

昼ごはんのあと別海町にある北澤牧場に向かった。
昨日ゆめの森公園でマリオとはるちゃんをキタザワさんが見つけた。
予定日を過ぎてもまだ生まれない子牛や元気がない子牛がいる。
それを聞いたマリオは明日行くと約束した。

マリオは牧場内をウクレレを弾きながら歩き回る。
子牛たちは小屋から出てきて珍しい訪問者を見つめる。

そしてマリオとはるちゃんが来ると知って集まった友達を前にここでもミニライブ。

中標津の三日間はあっという間だった。
マリオとはるちゃんはオフにもかかわらず多くの人に音楽を届け、元気を配った。
ほんとうにすごい人達だ。
人を幸せにする方法はみんなが持っているという。
方法はなんだってよい。
得意なことをすればよい。
彼らのようにそれを続けて実行できるかどうかなのだ。

ケビンとキャサリンはその夜遅く納沙布へ向けて出発した。
日本でいちばん東の場所で朝日を見るつもりだ。

翌日キタザワさんからマリオに子牛が無事生まれたと電話があった。

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今日も最後まで読んでくれてありがとにゃ。
最近ケビンはほんとうに涙もろいにゃ。
還暦を過ぎるとそうなるのかにゃ。
またにゃ!

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